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<国語教育>とテクスト論
テクスト論を中心とする、70〜80年代に受容された欧米文学理論はもはや過去のものにすぎないのか? そして文学教育は、「実用性」を欠いた無用の長物なのか? このような問題意識の下、内外の文学研究と国語教育の歴史を振り返り、〈いま〉という時代に必要な新しい文学教育の理論を提言する。文学教育の場が、「教師が一方的に意見を押しつける場」とも「生徒が言いたい放題意見を言う場」とも違う、「他者との関係を学ぶ場」となることを目指す。






編:鈴木泰恵・高木信・助川逸郎・黒木朋興
出版社:ひつじ書房
<目次>
第1部 座談会
国語教育とテクスト論(の限界と可能性)
司会 高木 信
助川幸逸郎 馬場重行 齋藤知也 中村良衛 鈴木泰恵

第2部 国語教科書掲載作品のテクスト論的読解・テクスト論的授業実践報告
○古典文学編
『枕草子』というテクストと清少納言 安藤 徹
教材「春はあけぼの」とテキストの〈正しさ〉 津島知明
女を語ること・桐壺巻の「恋」と紫のゆかりの方法 斎藤昭子
開かれた『更級日記』へ─テクスト論による試み 鈴木泰恵
○近代文学編
テクスト研究の諸方法による芥川龍之介「羅生門」の解釈と鑑賞 中川千春
森鴎外「ぢいさんばあさん」論─語りなおされた「舞姫」 山口 徹
「メロス・ゲート」を追え!—国語教科書の(レ)トリックス 前田 塁
〈語り/騙り〉としての『山月記』—「欠ける所」と漢詩への欲望、あるいは李徴は「変化」したか? 高木 信

第3部 海外でのテクスト論受容と文学教育の現在
中国の国語教育における文学教育の現状 李 勇華
20世紀アメリカ文学批評史を考える 孫崎 玲
フランス・バカロレアの試験問題からみる国語教育 黒木朋興

第4部 文学教育の〈学〉の可能性を探る
〈東大古文〉に抗う伊勢物語 助川幸逸郎
「責任ある読者」をめざして─「テクスト論」を視野に入れた授業を展開する前に考えておくべきこと 中村良衛

第5部 日本のテクスト論受容史
日本文学研究におけるテクスト論受容史 古典編 佐藤清隆
研究・批評の手法から教育のための技術へ—「テクスト論」の受容と課題 近代日本文学編 付・参考文献ガイド 千金楽 健
戦後のフランス文学批評における理論と歴史の攻防 合田陽祐


<著者紹介>
鈴木泰恵
早稲田大学非常勤講師。中古・中世の物語文学研究。中上健次の創設した「熊野大学」の運営などにも関わる。主な著書に『狭衣物語/批評』等。

助川逸郎
横浜市立大学、河合塾他非常勤講師。横浜市立大学の社会人講座として「映画物語 ファッション-服に学ぶ映画 映画に学ぶ服-」を担当するなど幅広く活躍中。主な著書に『文学理論の冒険』等。


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