| ●異分野に聞く |
| 教育界以外の分野で活躍する方々に、教育に対する提言を聞く。各分野のエキスパートの世界観や人生観に学ぶ。 |
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| ▼2001年4月11日掲載 |
| (財)少年の船協会理事長・団長 井脇ノブ子氏 |
井脇ノブ子さんは、大分県の漁師町で生まれた。実家は漁師で、網元として生計を立てていた。ところが、ノブ子さんの兄が殺人の濡れ衣を着せられ、一家心中を企てた。寸前のところで近所の人に助けられたが、ノブ子さんが育った町は小さな漁師町で、悪い噂はあっという間に広がってしまったのだ。
「本当に悔しかったですね。小学校の修学旅行も、“人殺しの妹だ”ということで、連れて行ってもらえなかったんです。私が泣きながら家に帰ると、“ノブ、おまえが大きくなったら人を差別しない教育者になるんだよ。それも、愛情に満ちた大きな教育者になるんだよ”と、母が私を抱きしめながら言ったんです」
兄の無罪が証明されても、すぐに生活が良くなるわけではない。ノブ子さんは自分で自分の学費を稼いで、高校、大学、大学院へと進んだ。大学院に在籍中には、東洋大学の水泳部コーチや国会議員の秘書も経験した。ノブ子さんは水泳が得意で国体にも7回出場し、東京オリンピックの女子マネージャーとしても活躍をした。
「私が理事長・団長を務めている財団法人少年の船協会の事業も、この頃の体験がベースになっているんです。“少年の船”は、全国から小・中学生300名を公募し、大型客船で中国などを巡りながら、交流と体験を通して子ども達の精神的な成長を促すことがねらいなんですよ。ここで世界に羽ばたく実力を備えた若人を育てているんです。現代の咸臨丸ですよ。」
しかし、井脇さんが手がけている仕事は「少年の船」だけではない。カンボジアの難民救済活動、学校法人国際海洋学園理事長、国際海洋高校校長、和歌山国際海洋高校校長、国際海洋カナダハイスクール校長、そして、自由党静岡県連女性局長という複数の肩書きを持ち、教育に政治にと活躍をしているのだ。しかも、どの仕事も、井脇さん自身が社会的使命感から、止むに止まれぬ思いで立ち上げた仕事ばかりである。それぞれの仕事を立ち上げるまでの努力や活動は、とても本稿では紹介をしきれないほどだ。
「私は、いろいろな仕事を手がけてきました。その根底にあったのは、子どもと社会の明るい未来を創造するために、自分がすべきことをするということです。教育の問題は、子どもに関わる全ての大人が具体的な行動をしないかぎり、解決しません。百の理屈より、一つの実践が大切なんです。評論家には誰でもなれますよ」
これまで具体的な活動を積み重ねてきた井脇さんの言葉だけに、重みのある言葉だ。
「子どもは、生まれてくる家庭も時代も先生も選べませんから、大人達の責任は重大ですよ。教員を育てる教育も、真剣に考える時期に来ています。教育を専門職とする教師が、一般大学で少しくらい教育の勉強をしたからといって、教員免許を取れること自体がおかしいですよ。これは、教育の役割を軽視したシステムですね」
と、文教政策にも苦言を呈する。
井脇さんの話は聞けば聞くほど面白く、しかも説得力は抜群だ。 |
| 過去の掲載 |
| ■暁峰有限会社・代表取締役 周 翔翔氏 |
(2001年3月13日掲載) |
| ■花の会々員・身体障害者相談員 花前和男氏 |
(2001年2月5日掲載) |
■「課題を溶かす」
株式会社ディーディーアイ 北関東支店長 川村伸二 |
(2000年12月20日掲載) |
■「墨汁開発の先駆」
開明株式会社 代表取締役社長 田中葉子 |
(2000年11月27日掲載) |
■伝統の継承から創造へ 古い文化に新しい息吹を
日本人形協会会長 戸塚 隆 |
(2000年9月22日掲載) |
■「プロは誰でも努力する 大切なのは努力の仕方」
バスフィッシングプロ 大塚 茂 |
(2000年9月5日掲載) |
■「続けることが自分の使命」漆刷毛工房ひろしげ
漆刷毛師9世泉清吉氏 |
(2000年8月25日掲載) |
■微生物の持つ可能性に心揺さぶられて
(社)北里研究所 理事・所長 大村 智 氏 |
(2000年8月9日掲載) |
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