●言いたい放題
▼2002年1月31日掲載
「スクラップ&ビルド」
 誰もが躍進を信じて疑わなかった電器やIT企業の相次ぐリストラは、驚きである。新聞報道によると、
 東芝   19,000人
 富士通  16,400人
 松下電器  5,000人
 日立   20,000人
の削減である。さらに我が国の完全失業率は五%、完全失業者は、300万人を超えたという。

 一方、教育界ではこれとは対照的に、志木市の穂坂市長が、県下に先駆けて、25人学級の検討を始め、さらに和光市の体育・算数科の増員計画も発表された。産業界ではリストラ、教育界では増員の検討である。

 しかし、教育関係者はこれを単純に喜んでばかりはいられない。新聞では、報道されなかったが、実は一方では、新たな人材の採用を計画中なのである。
 日本IBM 10,000人
 日立     9,000人
 富士通    5,000人
などである。これらの増員はすべてSE(システムエンジニア)で、数より質、新しい時代に相応しい人材の採用である。社員の『スクラップ&ビルド』で、この難局を乗り切る。

・授業が成立しない
・子ども理解が十分でない
・保護者の対応が拙劣
などの厳しい指摘をされる中、教員の増員策は、すべて教員・管理職・教育委員会への、市長(市民)からの強い警鐘なのである。今回の両市の施策は、その財源保障を市長がしてくることに大きな意義がある。

 この施策を本当に実効性あるものにするには、教育委員会と学校の真剣な自助努力と創意工夫の力量が、強く問われていると思う。

 ところで、公教育の公平性は、現実にはとっくに崩れ去っている。数合わせだけの公平性は、もう終わりにしなければならない。

 同じ市内でもA校とB校、同じ校内でも、A学級とB学級では、その教育力に雲泥の差があるのが現実である。保護者や子ども達にとっての公平性とは、こうした教育力の格差が無くなることではないのか。

 両市のこの施策は、県下の関係者に大きなインパクトを与えた。現行の法体系の下での実施は、難しくはあるが、市単独で行うことは、一向に差し支えない。大いにやって欲しいものである。そして、他の市町村でも「これに負けじ」と独自の施策を立ち上げてもらいたいものである。

 市町村間の競争が、その横並びの弊害を打破し、また、停滞している教育界の活性化に、大いに役立つからである。競争原理を疎かにする学校や、一部の誤った保護者の認識を是正する絶好のチャンス、貴重な一石となることを強く期待したい。

旧大宮市教育長・石川正夫 
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