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▼2002年1月31日掲載
【課題】
 教員の創意を生かした特色ある学校づくりが求められています。特色ある学校づくりを進める上で、課題はどんな点にあると考えるか、また、特色ある学校づくりを実現することで期待される教育効果はどんなことか、あなたの考えを述べなさい。

【論文】
 子供たちは誰もが無限の可能性を持っており、自分の存在意義を見いだし大きく成長しようと努力している。学校は本来そういった芽を伸ばしてあげる子供たちにとって生きがいのある場でなければならない。しかし、学校ではいじめ・不登校・校内暴力といった問題が山積みであり、さらに学級崩壊とか基礎学力の低下といった問題がマスコミで取り上げられる中で、学校の信頼は失われつつある。今こそ、我々教師が創意を生かした特色ある学校づくりを目指し、学校本来の姿を取り戻さなければならない。特色ある学校づくりがめざすものは、安心して子供を預けることができる学校であり、生徒に知徳体の調和のとれた成長を促す学校である。私はその様な学校を実現するための課題は、学校が地域や家庭の教育力をどのように活用し、生徒たちのとって魅力ある教育課程のどのように編成するかであると考える。この課題の解決に向け、校長の指導のもと、教頭として次の方策を持って臨みたい。

1 地域の教育資源の活用と保護者の協力により地域・家庭との協働体制を築く。

 本年度『3daysチャレンジ事業』や『総合的な学習の時間』を実施する中で、生徒たちは地域に出て社会体験や調査研究を行ったが、担当学年の主任として特に感じたことは、如何に地域について無知であったかということとお互いの理解の必要性である。また、学校週5日制を目前にして、子供たちが家庭・地域で生活する場面は増えてくるが、家庭は過干渉・過保護や放任といった問題を抱えており、地域も夜遅くまで遊び回る子供たちに無関心である。今こそ三者が手を携え、教育を考え直す時期であり、学校はその中心的役割を果たさなければならない。そこで、@学校行事や様々な教育活動に保護者や地域の人を積極的に招待したり協力・参加を促すことで、地域・家庭に開かれた学校にする。A商工会や社会福祉協議会に積極的に協力を呼びかけ、様々な教育活動に地域の教育資源の活用すると共に地域活動への参加を推進する。B学校通信を地域にも配布したりやPTA活動や家庭教育学級への参加を通して、地域・家庭との連携を図り、生徒にとって何が今大切かを保護者と共に考え指導していく。また、学校評議員や民生委員の声にも謙虚に受け止め学校運営に生かす。

2 学校教育目標の実現をめざし、全職員の協力の下、特色ある教育課程を編成する。

 学校には教師の意欲に燃えた経営の参加が必要であり、教師の共通した目標に向けての情熱こそが、子供たちを動かし、ひいては子供たちの成長に促す。しかし、どんなに情熱があっても職員がバラバラでは信頼は得られない。調和のとれた学校運営を目指す上で大切なのは、学校教育目標の実現である。しかし、現実にはその目標を意識しないまま教育活動に取り組んでしまっている。私は学年主任として、月ごとの経営案の中に具体的な実践目標を掲げ、学年会等で共通理解を図り生徒・教師が一丸となって目標実現を目指してきた。教頭としても、@全職員の協力の下、学校教育目標の具現化構想図を作成し、職員会議等の訓話を通じて、学校教育目標を意識した教育活動を展開できるように努める。A校長の指導のもと、昨年度の学校評価を有効に活用し、教育課程編成委員会中心に特色ある学校作りの方針の決定する。さらに、重点目標を明らかにし、時間の確保等活動しやすい環境づくりに尽力する。B時間割作成・『総合』『選択』等の学習や学校行事の精選等の重要課題については特別チームを構成し全職員で特色ある教育課程の編成できるよう配慮する。また、必要に応じて全体研修を計画し、教師のレベルアップを図る。

 「情熱は人を動かし、信頼は人を育てる。」教師の熱い情熱と弛まぬ努力とが子供達を動かし特色ある学校づくりを実現する。魅力ある教師とは授業で勝負できる教師である。そのような熱い教師のもとで地域・家庭との協働体制を築くことで、学校は信頼を勝ち取り子供たちも安心して学校生活を送る。特色ある教育課程は活気ある学校を創り、子供たちは生きがいを感じ、その可能性を大いに伸ばすはずである。私は教頭として校長の意を体し、教員の能力や個性を十分発揮できるよう時には厳しい指導・助言に努めると共に、職員室の要として職員の一体化とモラールの高揚を図り、魅力ある学校づくりに努力していく所存である。  (原文のまま)


【論文講評】

 今回の出題で問うているのは、第一に特色ある学校づくりを進める上での課題は何かということと、第二に特色ある学校づくりを実現することで期待されている教育効果である。このような問いに対して、教頭として学校経営を行う立場になって論述していく必要があろう。

 筆答者もこの事を考慮に入れ、前文などにおいては、出題内容を踏まえて述べている。しかし、課題、効果については順序立てて述べられておらず、不明瞭である。

 また、前文で、特色ある学校とはどんな学校なのか。なぜ、特色ある学校が求められているかを、もう少し明確に述べておくと、本論での内容を、より幅広く考えて答えられるであろう。特に、今回の学習指導要領では、各学校が創意工夫して特色ある教育活動を行うことが、強く求められていることも踏まえたい。

 筆答者は、本論で特色ある学校づくりの具体的方策をよく述べている。ただ、学校教育で重視しなければならないのは、まず、授業であり、基礎・基本の定着である。国が提唱した「レインボープラン」でも、第一に「わかる、楽しい授業」を挙げている。教育課程を述べる際には、授業を重視することや「総合的な学習の時間」などにも是非、触れておきたい。

 また、学校教育目標の実現と教育課程が一つの柱立てになっていて、特色ある学校づくりの内容が焦点化されておらず、残念である。

 筆答者が述べているのは、地域、家庭の連携や教育課程の実施について、どのように行っていくかという方策が中心に述べられているが、出題の内容を踏まえると、「教頭として○○の様なことを目指し、○○を行うことによって、○○の様な教育効果が期待できる」というような内容が入らないと、出題の意を捉えたものとならないであろう。論述においては、論・例・策の分かり易い論文であるが、出題内容を的確に捉えるという面では、より一層の深い読みとりが求められる。平均を50点とすると、60点ぐらいと考えられる。  (池)
過去の掲載
「論文評価7」 (2002年1月15日掲載)
「論文評価6」 (2001年12月20日掲載)
「論文評価5」 (2001年12月5日掲載)
「論文評価4」 (2001年11月16日掲載)
「論文評価3」 (2001年11月7日掲載)
「論文評価2」 (2001年10月22日掲載)
「論文評価1」 (2001年10月5日掲載)
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