●助さん格さん旅日記
異分野からの人生コラム。
▼2004年 3月 6日掲載
フェリーの乗り方
 フェリーの航送料金は、クルマの全長で決まります。1メートル刻みで、すなわち主に4メートル未満と5メートル未満。4メートルの下は3メートル未満なので、ほとんどあてはまるクルマがありません。昔の360ccの軽自動車くらい。
 じゃあ全長はどこでチェックするかというと、車検証でみます。ですからバンパー外してフェリー埠頭に行ってもだめです(笑)。車検証は冷酷。ゴルフとティーポが仲良く青森〜函館のフェリーに乗っても、ゴルフ4メートル少々なのでクラウンと同じで16,000円強、ティーポなら4メートル未満なので軽と同じで13,000円強。ゴルフの人には理不尽な。

 フェリーの航送料金は、運転者1名分の二等料金を含みます。すなわち、運転手だけであっても一等を利用したら追加料金が必要です。
 一般的なイメージとして船内はカーペット敷きフロアの雑魚寝だと思いますが、最近は二等でも減りつつあります。東京〜釧路の近海郵船ではカーペット敷きは団体向けですし、大阪〜志布志の「さんふらわあさつま/きりしま」ではカーペットでも一人分の区画が決まってて狭い布団が準備してありました。概して長距離フェリーでは寝台、短距離フェリーでは椅子席が主流になりつつあります。
 船室は近海郵船の例だと二等カーペット(団体むけ)、二等寝台、二等特別室(家族向け個室)、一等和室(家族向け個室)、一等洋室(シングル/ツイン)、一等特別室(スイート?)に別れてます。どこが違うかというと、二等は共同浴場で一等はバス/トイレつき(笑)。単純に1人の運賃で比較すると、東京〜釧路で二等寝台15,000円くらいのところ一等で30,000円弱、一等特別室で35,000強。今時これだけクラスのはっきりしてる社会もめずらしい(笑)、なんちって。

 長距離フェリーなら予約していった方が無難です。旅行会社でチケットやクーポンを買ってくのも手です。一方短距離フェリーだと予約を受け付けないで先着順のところもあります。
 長距離フェリーの場合、遅くとも出港の1時間〜1時間半前にはフェリー埠頭に行きましょう。早く着いてしまって、これから乗る船を眺めてるってのもいいものです。フェリー埠頭に着いたら、車検証を持ってターミナルビルへ行ってください。窓口の前で、まず乗船名簿を書きます。住所氏名年齢同乗者など。万が一の事があるとこの名簿をもとに報道されるんだろう、ってことはなるべく考えない。乗船名簿を書いたら車検証と一緒に窓口に出してください。ここで料金を払います。旅行会社でチケット買ってった人も窓口でチケットを正規のと交換します。

 後は会社によって違いますが、窓口で乗船用チケットをもらったらクルマを乗船の列に移動します。クルマを船に乗せるのはドライバーとしての役目。同乗者の方は、別にターミナルからボーディングブリッジで船に乗ります。しばしお別れ、元気でね、あなたもね。ドライバーの方は時間になったらチケットの半券を係員に渡して車を船内に移動します。別に縦列駐車のテクニックとかは必要ではありませんが、一部の欧州車の方は係員の「はい、ドアミラーたたんで」の声に戸惑う事があります。だってたためないんだもん。車を止めたら係員が車止めをかけてくれますので、荷物を持って客室へ行きます。航海中は車両甲板は立ち入り禁止ですので要注意。またチケットの残りは降船時まで必要なのでなくさないように。

 さて客室に入る前に、長距離フェリーならフロントでチェックインしてください。何のこっちゃ?すなわち船室や寝台の指定は船内フロントで受けます。まあこのあたり会社によって違いますが。船内にはレストラン、ホール(映画など上映する事あり)、売店、ゲームコーナーなどあります。またソファの置いてあるロビー的な空間も多くとられています。ずっと寝台にこもってらんないもんね。デッキに出れば気持ちがいいのですが、海の上は風が強く、夏でも寒いくらいです。フェリーに乗るときは防寒装備をしていってください。

 もし二等のカーペットであれば、荷物を置いてテリトリーの確保も重要です。すいてれば問題ないですけどね。大抵毛布のレンタルがありますので、借りておいた方がいいかもしれません。定員分最初から置いてある会社もあります。

 出港のときはせっかくだからデッキに出ましょう。見送りの人が手を振ってて思わず涙ぐんだりして。汽笛の音が響きます。このあたり映画でみた出港シーンと同じでちょっとうれしい。実際はドライなもんで見送りの人なんて数えるほどだったりするんですけど(笑)。
 出港後港が見えなくなるまでデッキに出てるのもいいものです。大小の貨物船や漁船が行き交う港を離れます。もちろん防寒装備に自信があればずっとデッキに出ていてもいいでしょう。完全防寒でデッキでずっと野鳥観察してる人を見た事があります。それもまた楽しみ方。

 船内ではレストランの開店時間、浴室の利用時間はチェックしておきましょう。さてこの後が問題。船内ではする事がありません。テレビを見る(ほとんど衛星放送)、ゲームをする、海を眺める、飲んだくれる、そのへんの人捕まえて話をする。人生について考えてみるなんてのもいいかもしれませんが、思い詰めて海に身を投げないように。

 最近の船は進歩してますから、特に天気が荒れてない限り船酔いの心配はないと思います。実際私がフェリーを使うようになったのはここ数年ですが、新造船は着実に進歩してます。それでも酔いやすい人は、うまく気晴らしの工夫が必要でしょう。ゲームコーナーのゲームとか、ウォークマンで好きな音楽聞くとかがよく効きます。後はなるべくデッキに出てるのが効きますが、寒いからねえ。天気が荒れたらどうしようもありません。そもそもデッキに出してもらえないし。薬飲んで寝てください(笑)。

 まあ長距離フェリーを楽しく乗るコツはいかに時間を潰すかという事でしょう。その点クルーズ船と同じですね。私は防寒装備をして海を見てるのが好きです。

 さてそうこうしてるうちに目的地に近づきました。やっぱりデッキに出て近づく港を見てるのがなかなかよいのですが、クルマに乗ってくださいという放送を聞き漏らさないでください。同乗の方も一緒に車両甲板に行ってクルマに乗り、接岸を待ちます。その時、早速エンジンかけてアイドリングしてる人が多いですけど、ここは大人として静かに待ちましょう。無用のアイドリングはよろしくない。

 接岸までは暇なので愛車の運行前点検をするのもよいですが、同じように暇を持て余してる他のドライバーの好奇の視線を浴びるのは避けられません。とくにラテン車の方はボンネット開けてると「・・・やっぱりな」とか言われそうですので注意しましょう(笑)。
 接岸が終了したらクルマも順番に下船します。近ごろはフェリーターミナルに浴場がある場合もあるので(小樽など)、ひとっ風呂浴びてくのも悪くない。ただし、ここで注意すべきは「陸酔い」です。長旅で体が船の微妙な揺れに順応してしまって、陸地で逆に酔ってしまう事があります。これを防ぐためには、そのままクルマでしばらく走ってしまうのがよいでしょう。体に残った船の揺れをクルマの揺れに置き換えてしまえば、後はいつも通りですから。

 さあこれであなたはもうシロートではない、立派なフェリー乗りです。肩で風を切ってフェリーに乗ってください。・・・ってホントかあ?
過去の掲載
自分の舌で発見 2003年12月20日掲載
砂丘の町で(3) 2003年 8月 5日掲載
砂丘の町で(2) 2003年 7月10日掲載
砂丘の町で(1) 2003年 6月20日掲載
「男は露天風呂の奥に入るべし!」 2003年 5月20日掲載
「過労運転の心配」 2003年 4月30日掲載
「夜の繁華街」 2003年 3月10日掲載
「サーモンロード」 2003年 2月20日掲載
「陸送員とは?」 2003年 1月30日掲載
「高速道路は、なぜ有料?!」 2003年 1月15日掲載
「ぶらり男はひとり旅」 2002年12月25日掲載
「オバタリアン」 2002年12月10日掲載
「信頼される運転士」       2002年11月25日掲載
記事・画像等を無断で転載することはできません。
このページへのご意見・ご要望は kyoiku@sainokuni.ne.jp ▲トップページ