●我が校の学校評議員会
学校評議員を導入している学校では、評議委員会をどう運営し、どんな成果を生んでいるのか。連載企画として、学校評議員制度の実際をレポートしてみたい。
▼2002年1月31日掲載
「地域への理解が不可欠」
 平成12年1月、文部省から「学校教育法施行規則の一部改正」が県・市町村教育委員会などに通知された。この改正の目玉となったのが、「学校評議員制度」の導入である。中教審答申の「今後の地方教育行政のあり方について」を踏まえて、この改正へとつながった。「児童生徒の実態や地域の実情に応じた特色ある教育活動の推進」が、この改正の趣旨だ。つまり、学校評議員会の設置が、特色ある教育活動につながってこそ、改正の趣旨に添うことができると言えるのだ。

 学校評議員会に準ずる役割を持つ組織の設置は、法改正以前から取り組まれてきた。さいたま市(旧浦和市)では、平成8年頃から「学校連絡協議会」を各校が設置。それぞれの学校が組織の運営を行ってきた。さいたま市立南浦和小学校(中山厚子校長)でも、“協議会”の運営を充実させる工夫を重ねてきた。

 「地域の方々から、学校に助言を頂くことも大切ですが、聞く機会を設けるだけでは十分な効果が期待できません。伺った意見を具体化しなければ、地域からの信頼を得ることはできません」と、具体的活動への昇華の必要性を中山校長は説く。しかも、地域や委員からの要望を具体化する時には、「教育効果が期待できるか」「偏りのない、バランスのとれた実践ができるか」「教員や子ども、地域への影響はどうか」「学校教育目標との関わりはどうか」等々、様々な観点から検討することが求められる。

 「学校を地域に開き、理解してもらうことも大切ですが、校長や職員が地域を理解することが不可欠です。これまで、学校と関わりが深かった地域の方はどなたか、地域の歴史はどうか、人間関係のネットワークはどのようにつながっているのか、地域を把握する努力をしなければ地域は見えてきません。地域を把握できなければ、地域の特性や実情に応じた教育活動を企画することすらできないでしょう。しかも、地域の方々の感情を傷つける様なことを、無神経に行ってしまう恐れもあります。学校を開くためには、学校が地域に関心をもつことが求められます」と中山校長。

 更に、教員の意識が「学校を地域に開く」という意識で統一されている必要もあるという。南浦和小学校の教員には若手、ベテランを問わず「地域を意識した教育活動を進めようという意識が育ち始めていること」が、学校連絡協議会の運営にも大きく役立っている。「学校の自己点検・自己評価の実施は、評議員制度の活用や保護者、地域の意見を聞きながら、教育課程編成にも役立てていくこと」が教課審答申でも求められており、教員の意識を地域に開くことが避けられない趨勢だ。「管理職も教員も地域に向けたアンテナを心の中に立てることが大切」と中山校長は言う。

 学校連絡協議会を評議員と同じレベルの活動組織にスライドさせていくことが、同校の目下の目標だという。地域に開かれた教員の意識が、学校の教育活動をどう変革させていくのか。これからの南浦和小の変化に注目して行きたい。
 
過去の掲載
「さいたま市立南浦和小学校」 2001年12月20日掲載
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